インドネシア現地NGOへ顕微鏡を届けました

[vc_row][vc_column][vc_gallery interval=”3″ images=”10998,10997,10996,10995,10994,10993″ img_size=”full”][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]2015年2月、Malaria No More Japanは、ロート製薬株式会社『かるがも基金』様のご支援をいただき、インドネシアで、現地NGOへ顕微鏡3台を寄贈しました。
今回寄贈したのは、オリンパス社製の顕微鏡3台。現地NGOや保健センター職員による、マラリアかどうかを判定する血液検査のために用いられます。Malaria No More Japanでは昨年10月に実施した予備調査で、インドネシア東部の東ヌサ・トゥンガラ州シッカ県、フローレス島の島最大の町マウメレで活動する現地NGO「YASPEM」より提案を受けたことが、今回の寄贈につながりました。
支援先となった東ヌサ・トゥンガラ州の人口は、インドネシア全体の 2% に過ぎませんが、マラリア罹患者はインドネシア全体の21%を占めており、さらに同州でシッカ県の人口は6%ですが、インドネシア全体の10%に上る、国内でも有数のマラリア感染リスクの高い地域です。近年では、蚊帳の配布活動や意識啓発活動などで、マラリアの無い地域も多くなりましたが、しかし、媒介蚊が常に分布しているため、外から患者が新たに入るとすぐに拡散する状況は続いています。
今回寄贈した現地NGOが活動する、シッカ県の保健衛生部局長によれば、人口の約80%がマラリア感染エリアに暮らしているとも言われています。そのため、各地区の保健センターでのマラリア検査体制の強化が不可欠であると、官民ともに広く認知されています。特に各地区に設置されている、保健センター(現地語でプスケスマス)での適切な診断と治療は、マラリアの予防と治療には不可欠です。
YASPEMは、以前から独自の取り組みとして、地方自治体、地区保健センター、地元住民、学校と連携してマラリアに関する適切な情報提供、保健センターでの診断・治療活動に努めてきました。特に同県では、今回Malaria No More Japanが寄贈した顕微鏡は、これらの活動に寄与することが期待されています。
特に地域で深刻なのが、診断ミスです。シッカ県でマラリアと診断された後に、ACT(アルテミシニン併用療法。マラリアに関する最新の治療法)の治療を受けた人は90%に上りますが、同県の顕微鏡技師のエラー率は40-60%と高く、実際にはマラリアではないのにマラリアと診断されたり、またその反対も起きていることが考えられます。そのため検査体制、検査技師の人材育成が急務とされており、その育成の一つとして、きちんと整備された顕微鏡は不可欠と考えられました。
YASPEMのスタッフからは「今までと異なり非常にクリアに見えるので、検査がしやすくなった」との喜びの声も上がりました。実際に、寄贈に合わせて実施された検査でも、数件のマラリア症例が発見され、直ちに地元の保健センターへ連絡、マラリア陽性と診断された子どもの治療に当たるよう伝達されました。
Malaria No More Japanでは今後もYASPEM、アイルランガ大学熱帯病研究所(ITD)と連携して、継続して同シッカ県でのマラリア制圧事業を継続する予定です。
*本事業は、Malaria No More Japan、YASPEMの他にアイルランガ大学熱帯病研究所(ITD:Institute of Tropical Disease)が参加して行われています。同大学は、インドネシア第二の都市スラバヤにあるインドネシアの主要大学のひとつ。1991-2001年にかけて、日本学術振興会(JSPS)のアジア地域等学術交流事業「インドネシアとの大型共同研究方式による多国間拠点大学事業」を通して、感染症を含む医学領域の共同研究を実施しています。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]