10月19日 緊急市民シンポジウム「エイズ・結核・マラリア=三大感染症は克服できる」が行われました

アフリカ日本協議会日本リザルツ主催で「エイズ・結核・マラリア=三大感染症は克服できる:世界基金と日本の貢献」と題する市民シンポジウムが行われ、第二部では、弊団体専務理事の水野がパネリストとして登壇、世界基金に期待すること、日本が期待されていることなどを討議しました。
本シンポジウムの様子は同日夜のNHKニュース(2013.10.19「三大感染症」対策支援訴える)で報道されました。
20000008_2.jpg第一部では、世界基金戦略投資効果局長の國井修先生がジュネーブから来日され、「世界基金は世界で何を変えたか?今後何を変えるのか?」についての講演を行い、世界基金創設までの三大感染症の状況や創設の経緯、世界基金の特徴、成果、そして新たな資金供与モデルなどをご説明くださいました。
そして、「世界の当事者は訴える」のセッションでは、今回は三大感染症の中で「結核」に焦点を当て、3人の方々が経験談をお話し下さいました。超多剤耐性結核を10年間患い世界基金などの支援により克服「ようやく生きていると実感できるようになりました」と語ってくれたフィリピンのミルドレッド・フェルナンドさん。「結核は人生を一変させます」、日本で普通に会社員として生活をしていて多剤耐性結核に罹り闘病の末に克服、職場復帰をすることができた成瀬匡則さん。そして、結核患者が乗っていたソマリアから日本への飛行機の中で感染したが、日本で早期かつ適切な治療を受けることができたので発病には至らず幸運だったと語ってくれたソマリア出身のブルハン・ハーシーさん。それぞれの体験談は身近に起こりうるお話しであり、参加者の心により強く響く内容でした。
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また、息子さんがマラリアにかかって重篤な状態に陥ったため今回来日が叶わなかった、ヒア・アイ・アム・キャンペーン(当事者として世界基金の重要性を訴え、世界基金への支援を呼びかける世界的なキャンペーン)アンバサダー、マラウイ出身のトコジレ・フィリ=ンコマさんからのメッセージ代読も行われました。三大感染症と闘うために日本を訪問予定だったアンバサダーが、マラリアという三大感染症のために、その活動をキャンセルしなくてはならなくなる、これが、三大感染症のもたらす現実なのです。
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第二部のパネルディスカッションでは、世界基金支援日本委員会事務局長の伊藤聡子氏をモデレーターに、外務省、NGO、当事者、企業の視点も含め、日本と世界基金の関わりを代表するパネリストがそれぞれの立場から、世界基金に何を期待するか、日本は何を期待されているのかが討議されました。國井修先生からは、「Value for money」いかにインパクトを高めていけるかが課題であり、パートナーシップ強化が必要であることをお話しいただきました。世界基金の「生みの親」である日本としては、資金支えすることも重要であるが、他方、より多くのプレーヤー(JICA、NGO、企業など)が世界基金と関わりをもち仕組みを活用していくことも期待されている。

世界の三大感染症対策に必要とされる資金は2014年からの3年間で870億ドル(約8.7兆円)、そのうち世界基金には150億ドルの調達が期待されています。12月に開かれる増資会議を前に、日本を含むすべての援助国が必要額150億ドルを拠出してくれるよう、そして、世界基金の設立を主導した日本が、国力に見合った金額を世界基金へ拠出していただけるように呼びかけるため、’Fully Fund the Global Fund’の横断幕を持ってスタンド・アップを行い閉会しました。
(写真提供 日本リザルツ)

*世界基金の詳細はこちらからご覧いただけます。