第6回ゼロマラリア賞  アジア・メディカル・イノベーション・コンソーシアム(AMIC)マラリア部会へ ~産官学民連携のゼロマラリアに挑戦~

(写真右:北潔・長崎大学大学院教授、熱帯医学・グローバルヘルス研究科長/写真左:水野達男・認定NPO法人Malaria No More Japan専務理事)

特定非営利活動法人マラリア・ノーモア・ジャパン(東京都千代田区、代表理事:神余隆博)は、4月25日の世界マラリアデーに、第6回ゼロマラリア賞をアジア・メディカル・イノベーション・コンソーシアム(AMIC)マラリア部会へ贈ることを発表しました。同会でこれまで推進されてきたアジアおよびアフリカ地域におけるマラリア制圧のための産官学民が連携した具体的な取り組みが高く評価されました。

日経アジア・アフリカ感染症会議は、国内外の産官学民が集まり、世界の感染症対策について議論する場として2014年に始まりました。AMICはこの会議から派生した有志のコンソーシアムで、3つの部会からなります。官民連携(P3)の推進や政策提言、情報交換を目的として、それぞれの部会が年間を通じて活動しています。AMICマラリア部会は、マラリア対策に関係する研究者・機関や企業などによって構成されています。現在アジアおよびアフリカで具体的にゼロマラリアを目指したP3プロジェクトを進めています。

受賞に当たり、マラリア部会の座長を務める北潔・長崎大学大学院教授、熱帯医学・グローバルヘルス研究科長は、「大変名誉ある賞をいただき、光栄に思う。引き続き、幅広い関係者で連携して、マラリア制圧に取り組みたい」と述べました。

同賞は27日、青山学院大学で行われた公開講座「リスクとしての感染症と私たちの暮らし」でも紹介され、壇上で水野達男・マラリア・ノーモア・ジャパン専務理事より北氏へ賞状が授与されました。

マラリア・ノーモア・ジャパンでは、ゼロマラリア賞を通じて、より多くの方へマラリアについて知り、アクションを起こすきっかけにしたいと考えています。

ゼロマラリア賞とは

「2030年までにゼロマラリアを達成する」という国際社会の目標に寄与する活動に取り組む、あらゆる分野の個人、団体を対象に、表彰しています。2014年の開始以来、公益社団法人日本青年会議所の蚊帳配布キャンペーン(2014年)、マラリア研究を行う個人の研究者(2015年、2016年)、沖縄におけるマラリア制圧の取り組みの記録を残した著者及び出版社へ(2017年)、蚊に関する創作落語の上演(2018年)へと、支援事業や研究にとどまらず、様々な立場からのゼロマラリアへの貢献を評価するものです。

【本賞に関する報道機関からのお問い合わせ先】

認定NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパン 担当:飯塚・長島

TEL:03-3230-2553 Email: info@malarianomore.jp

PDFはこちら→https://malarianomore.jp/wp_core/wp-content/uploads/2019/05/20190507mnmj_zeromalaria2019.pdf


別紙

ゼロマラリア賞とは

マラリア制圧のために取り組む個人、団体を表彰するもの。具体的な支援事業の実施に留まらず調査研究、情報発信、またマラリアという言葉の認知率向上のためのアイデア作りなどに取り組む個人など、マラリアに関わるあらゆる分野の個人、団体を対象に、2014年に特定非営利活動法人マラリア・ノーモア・ジャパンによって設立されました。

第1回(2014年度)受賞者 公益社団法人日本青年会議所
*長年の国際青年会議所による蚊帳をアフリカの子どもに送るキャンペーン「Nothing But Nets」に協力する活動が評価

第2回(2015年度)受賞者 川本文彦・大分大学名誉教授
*アクリジンオレンジ染色顕微鏡検査法の開発、並びにマラリアとG6PD欠損症の分子疫学的研究で世界的にも有名な研究者の研究に対して

第3回(2016年度)受賞者 小林潤・琉球大学教授
*長年ラオスでの活動を実施などアジアでの活動に対して

第4回(2017年度)受賞者 南山舎による南風原英育著「マラリア撲滅への挑戦者たち」出版活動
*日本で最後まで残った所謂「戦争マラリア」およびその後のマラリア制圧の沖縄県での取り組みを丹念に取り上げ、戦争マラリアの実態を紹介した書籍『マラリア撲滅への挑戦者たち』の出版活動に対して

第5回(2018年度)受賞者 桂歌助・落語家
*狂言「蚊相撲」をヒントに作られた、創作落語「蚊相撲」を通じて、マラリアや蚊が運ぶ病気について、エンターテインメントから情報発信を行ったことに対して。

アジア・メディカル・イノベーション・コンソーシアム(AMIC)マラリア部会とは

「アジア・メディカル・イノベーション・コンソーシアム(AMIC)マラリア部会(以下、マラリア部会)」は、2016年4月に開催された第3回日経アジア感染症会議において、産官学の有志の関係者によって結成されました。世界で蔓延するマラリアのEliminationに貢献することを目的とし、定期的に部員が情報交換をする部会と、診断、予防、治療といったおのおののテーマにおいて具体的なアクションプランの策定・実行を進めるワーキンググループでの活動を主な柱として、年間にわたり運営しています。アジアにおける無症候性マラリアの高感度検出と治療、予防の一体的な実施や、マラリアによる死者の9割を占めるアフリカにおいてベクターコントロールや治療・サプリメント、診断を組み合わせて提供するP3(Public Private Partnership、官民連携)パッケージプログラムを展開しています。

 

PDFでのリリースはこちらから→https://malarianomore.jp/wp_core/wp-content/uploads/2019/05/20190507mnmj_zeromalaria2019.pdf