「2030年までにマラリアをなくすための議員連盟」設立を歓迎
認定NPO法人Malaria No More Japan(東京都千代田区、代表理事:神余隆博)は、「2030年までにマラリアをなくすための議員連盟」の設立総会が2021年3月25日に開催され、マラリアに特化した議員連盟が設立されたことを歓迎いたします。総会には、超党派の衆参両院議員18名が参加され、会長に自由民主党 塩崎恭久衆議院議員、事務局長に公明党 熊野正士参議院議員が就任されました。
世界では約2億2900万人がマラリアに罹り、41万人が死亡したと推計されています(2019年時点)。特に5歳未満の子どもはマラリアに罹るリスクが高く、2018年にはマラリアによる死亡の67%(27万2000人)は5歳未満の子どもでした。
加えて、2019年末より起きた、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な流行)により、最悪のシナリオとして、マラリア対策の進展が20年前の状況に後戻りしかねない状況も指摘されています。
今こそ、日本と世界が連帯して、強靭な保健医療システムや感染症サーベイランスの強化などヘルス・セキュリティの強化を行う必要があります。また、マラリアによる死者をなくすことを通じた持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて、より一層の努力が重要となります。
日本政府はこれまで、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を推進する国として、感染症対策を通じた保健システムの強化、実施国の国内資金の確保、民間セクターとの協働の3つの重要性を表明すると共に、HIVエイズ、結核、マラリアの三大感染症を対象とする「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」(グローバルファンド)への拠出を通じた継続的な貢献を行っており、世界から高く評価されております。
マラリアに特化した議員連盟の設立により、世界のマラリア排除への「立法府の顔」として日本のプレゼンスが向上され、COVID-19のみならず既存の感染症への日本の取り組みの本気度を示す具体的な発信になるものと確信しております。
そして、マラリア排除を目標に掲げる二国間・多国間のODA案件を増やすなど日本の政策が反映された“顔の見える援助”の推進、国際共同マラリア研究の推進を支援するなど日本の科学技術イノベーションの社会実装の支援など、政・官・民の連携によるマラリア対策支援を期待します。